小学2年生の娘のために救急車を呼んだものの、後悔したお話です。
【事の始まり】娘が息苦しいと言い出した
事の始まりは、習っている体操教室まで娘をお迎えに行ったとき。
娘が車に乗って早々、なんだか息苦しいと言い、胸の辺りを手で押さえました。
体操で疲れたせいかなと思ったのですが、「ちょっと胸がチクチクする」と言うので、少し不安に思いながらも、普通に会話はできたのでそのまま自宅に帰りました。
その後、娘はしばらく普通にしていたのでご飯を食べ、テレビをみてゆっくりしていたのですが、再び「息苦しい」と言い出しました。
表情は険しく、ソファーでぐったりしていました。
そこで、「ちょっと横になって休んでみて。」と言い、娘の部屋のベッドに寝かせたのですが、「息が苦しくて寝ていられない。」と言います。
病院を探す
娘が苦しがる原因がわからないので、病院に連れて行こうと思いました。
我が家はこの地域に引っ越してきてまだ1年で、それまで住んでいたところは夜間病院があったのですが、今住んでいる地域には夜間病院がないため、その日の夜間当番医になっている病院をネットで探し、電話をしてみることにしました。
その日は大きい総合病院が当番医でした。
電話がつながったので、「小学生の子供が息苦しいと言っているのですが、連れて行ってもいいですか?」とたずねると、電話の相手の方から「今日は内科と外科しかやってないんで、小児科はないですよ!」と冷たくあしらわれてしまいました。
夜間病院もなく、夜間当番医でも診てもらえないとなると、この地域ではどうしたら子供を診てもらえるのだろうと思い、「では小児科はどちらに行けば診てもらえますか?」とたずねてみました。
相手の方は調べに行ってくれたらしく、少し間をおいてから「じゃあM小児科に電話してみて、ダメだったらS小児科に電話して下さい」と教えてくれました。(S小児科は夜間でもだいたい受け入れてくれる医院です。)
早速、まずM小児科の電話番号をネットで調べてみると、診療時間は19時半までと書いてありました。そのときの時間がちょうど19時半少し前くらい。
もう診てもらえないだろうなと思い、S小児科の方に電話した方が良いのだろうかといろいろ考えている間に、娘はさらに苦しそうにハアハアと言い出し、表情はますます険しくなっていました。
私は心臓がドキドキして焦ってしまいました。
もしS小児科に受け入れてもらえたとしても、ここから車で15分くらいかかります。
夫は仕事でまだ帰ってきておらず、私が運転して連れて行くとして、その間にさらに状態が悪化してしまったら…
色々と最悪の事態を想像して怖くなり、娘に「救急車呼んだ方がいい?」と聞いてしまいました。
救急車を呼ぶことに
娘もプチパニック状態で、息苦しさがもっとひどくなったら嫌だという思いだったのでしょう。
「救急車を呼んで。」と言いました。
私はついに救急車を呼ぶことに決めました。
救急車を呼ぶときの電話の内容
119に電話をすると、まず「消防ですか?救急ですか?」とたずねられたあと、住所を「町名」からたずねられました。(娘の小学校のAED講習で、救急車を呼ぶときは一番近くの消防につながるので町名からで良いと習った記憶があります)
我が家はまだ家を建てたばかりでナビにも出ず、ピザ屋さんでも迷うところなのでうまく場所を伝えられるか心配だったのですが、住所を告げると、すぐに「〇〇さんですね。」と言われました。
「もう向かうようにしていますが、どなたがどのような症状がありますか?」と聞かれ、娘の症状を告げると、「わかりやすい場所で待っていて下さい。」と言われたので、家の前に娘を座らせて2人で待つことにしました。
すぐにやってきた救急車
待っている間、娘は不安げに「何分かかるの?」と聞いてきました。
すると、ちょうど救急車のサイレンが聞こえてきて、電話から数分で到着しました。
救急車の中での様子
娘は救急車に乗ったことで安心したようで、少し表情は和らいでいました。
娘が「呼吸苦」ということで、隊員の方がバイタルチェックをしてくださるのですが、酸素などの数値は健康なときと変わらないくらいでした。
それでも娘は息苦しさは変わらないと言っていました。
苦しいのは確かのようですが、私は心の中で「救急車は大げさだったかな」と思い始めていました…
受け入れ先が決まらない
隊員の方が受け入れ先の病院を探し始めました。
「かかりつけの小児科はないですか?」と聞かれましたが、引っ越してきてから娘は耳鼻科くらいにしかかかっていなかったため、病院や小児科は思いつきませんでした。
隊員の方はとりあえず一番最初に、19時半まで診察しているM小児科に電話をかけましたが、そのときすでに留守電になっていたようです。
次に、夜間も受け入れてくれるS小児科にかけましたが、受け入れは20時からなのでダメとのこと。(そのとき19時45分くらい)
…どうやらこの地域は夜間当番医が小児科じゃない日は子供は診てもらえず、19時半から20時までの30分の間は受け入れてくれる小児科はどこにもないようです。
空白の30分。
もし自分で病院を探していたらもっと焦っていたでしょう。
結局、近くの総合病院に受け入れてもらえることになりましたが、病院が決まるまでにすでに20分ほど経っていました。
病院での様子
受け入れ先がやっと決まり、娘は病院の診察台へ。しかし、今度はドクターがいません。
当直医がおらず、ドクターが来るのを待つことに
その病院は大きいのですが当直医はおらず、小児科医が今から自宅を出るとのこと。その間、看護師さんが一人で対応してくれました。
その状況に私が少し驚いていると、救急隊員の方が、「こういうことは普通ですよ。」と教えてくださいました。
(子供が本当に緊急事態のときはどうするのでしょう…??)
それから30分ほど待ちドクターがやって来ましたが、明らかに不機嫌な様子で、挨拶をしても無視されてしまいました。
ドクターは、その頃にはだいぶ状態が落ち着いていた娘を見るなり、「えっ?最初どういう状態だったわけ?」と、看護師さんにたずねました。
看護師さんは、「最初は苦しそうにしていました。」といろいろ状況を説明してくださいました。
診断
娘はおそらく「過呼吸」であっただろうと診断されました。
ドクターは過呼吸の説明を少ししてくださったあと、「僕は20分かけてここまで来たのに、5分の診察でしたね。」と前置きしたあと、「お母さんはどういう状況で救急車を呼ぼうという判断に至ったの?」と聞いてきました。
私は返す言葉が見つかりませんでした。
すると娘が突然、「最初電話した当番の病院が、子供は診ませんと意地悪を言ったんです!」と言いました(゚д゚)!
娘は私を擁護しようと思って言ってくれたのでしょうが…
ドクターはあきれた様子で、「ええ、その病院は小児科はないですからね。」と冷たく言ったあと、首をひねりながら去って行きました。
その後ろ姿が今も忘れられません…。
反省点
今回の件では、いろんな方に迷惑をかけてしまいました。すぐに駆け付けてくださった救急隊員の方3名、看護師さん、ドクター。
反省すべきところは多々あります。
まず、娘が息苦しいと言ったとき、私が一番落ち着くべきでした。
娘は息が苦しいことがとても不安なのに、私の焦りが伝わってさらに不安にさせてしまったと思います。
今思うと、苦しそうにはしていましたが、顔色も唇の色も特に変わりはなかったので、そのまましばらく様子をみても大丈夫だったと思います。
過呼吸についても予備知識が全くありませんでした。(過呼吸の場合、周りの人が焦ると余計状態が悪くなってしまうそうです。)
また、かかりつけの小児科や病院がなく、探すのに手間取ったことや、今住んでいる地域の夜間の子供の受診についての知識がなく、ネットで調べられるだろうと考えていたところも反省すべき点です。
万が一に備えて確認しておくべきでした。
安易に救急車を呼んでしまうことがないように、冷静さと、最低限の知識は持っていなければと深く反省した夜でした…